保清・保湿と同時に皮膚の保護も重要になってきます
特に、リンパ浮腫を発症した皮膚は薄く、傷がつきやすい状態になっています
また、傷がつくと治りにくく感染しやすいため、傷をきっかけに蜂窩織炎を発症しリンパ浮腫の悪化につながる可能性もあります
気を付ける部分とそうでない部分を分けて考えて、続けていけるケア方法を探していきましょう
まずはリンパ分水嶺を意識して、自分はどこを注意するのかを認識しておきます
手術をした側の腕での点滴や血圧測定は避ける
これは、できればで結構です
一度でもすればすぐに浮腫が悪化するというものではありません
手術後などでたまに1時間おきに血圧を測定するという場合があります
このような場合は浮腫悪化の危険性はあるかもしれませんが、たまに測定する程度で悪化するかは、はっきりとしていません
両側乳がんの手術をされた方が、採血や血圧測定を脚でするかというと、そうではありません
少し気にはしますが、気にしすぎない程度がよいと思います
テープや湿布を使う時は、はがす際に注意する
テープをはがすときに皮膚に負担がかかるので、同じ場所に貼らないようにします
また、湿布を張るときに端から引っ張りながら貼ると、皮膚に張力が生まれます
真ん中から外に広げるように張ることで、張力が少ない状態で貼れます
テープや湿布をはがす際は、周りの皮膚を押さえながらゆっくりとはがします
貼る前に、皮膚被膜剤をつかってみるのもいいでしょう
これらは皮膚にかけることで、皮膚を保護する膜を作ります
汗をかく
汗をかくことで蒸れて、皮膚が傷つきやすくなることがあります
でも、汗をかかないようにするのは難しいですよね・・・
爪の手入れ
特に化学療法をされた方で、指先にしびれなどがある場合は手入れが難しいことがあると思います
また、爪の変形によって、他の場所に引っかかって傷がつくこともあります
爪を切る際は、ニッパーややすりを使用して滑らかに整えておきます
爪の変形がある場合は、爪用の保護クリームを使うのも良いでしょう
SVENSONという会社では、医療用の爪保護・保湿オイルが販売されていますので、それをいつも紹介しています
ムダ毛の処理
カミソリは皮膚を傷つけてしまうため、ローションは必要です
電動の方が肌への負担は少ないです
水虫や湿疹
皮膚科での治療を受けましょう
一度主科の先生に相談してみてもいいと思います
傷ができたとき
すぐに洗い流して消毒し、ガーゼで保護します
絆創膏は使わずに、ガーゼを当てた上から包帯を巻いたり、筒状の包帯をはめたりして軽く抑えるように固定します
下着や服装の注意点
素材は皮膚への刺激が少ないものを選びます
締め付けてしまうとその周辺で浮腫ができることもあるため、締め付けないものを選びます
皆さんもご存じの内容かもしれないですね
でも実際は肌が赤くなったり、かぶれてしまったりする方も多く、どのように工夫すればいいのか悩むこともあります
皆さんが日頃、肌の保護について何か工夫されていることがあれば教えて頂けるとありがたいです
コメントお待ちしております☆
コメント
爪は抗がん剤の影響なのか?変形したり困っていますね。
先生か書かれている様にニッパー、やすりを使用して整える工夫をしています。
元々、巻き爪なので気をつける様にしています。
コメントありがとうございます。
タキソールやタキソテールなどのタキサン系の抗がん剤は、爪の変形や巻き爪などが出やすいです。
当院では予約制ですが爪切り外来があるので、もし巻き爪で困ったことがあれば聞いてみてもいいかと思います。