リンパ浮腫を発症すると皮膚が乾燥してしまいます
乾燥によってかゆみが出てきて、さらにかくことで皮膚を傷つけてしまいます
リンパ浮腫を発症していなくても、リンパ節郭清などの手術をすることで皮膚のバリア機能が低下するため、蜂窩織炎を発症しやすくなります
ここでは保湿によって皮膚のバリア機能を高める方法を書いていきます
皮膚の構造と特徴
皮膚の表面にある角層はこのような構造になっています
手書きなので、わかりにくかったらごめんなさい
ポイントは皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質の3つです
一番表面に皮脂(オレンジの層)があります
皮脂は皮脂腺から分泌され、汗などと混ざって皮脂膜を作ります
皮脂膜は水分の蒸発を防ぎます
次に角質細胞があります
その中の赤い点々が天然保湿因子です
アミノ酸などが主な成分で、水分をひきつけ離さないようにしています
角質細胞の間には角質細胞間脂質という層があります
ここには角質細胞の間を埋めるセラミドがあります
テレビでも聞いたことがあるかと思います
角質細胞どうしを結び付けるだけでなく、間に水分を挟んで逃がさないようにする役割もあります
これらの特徴をサポートする保湿剤を選んでいきます
皮膚の特徴に応じた保湿剤
1、皮脂の役割をサポートする
皮膚の表面に膜を作り、皮脂の代わりとなってくれます
白色ワセリンはたくさん入っているので、下肢に使う場合はおススメです
私は主にVaselineを使っています
チューブタイプのベビーワセリンは出しやすいので使い勝手がいいです
2、天然保湿因子の役割をサポートする
角質の水分保持作用を増強させるものです
放射線療法をされている方は「ヒルドイド」を処方されたことがあるかもしれません
ヒルドイドは薬局では販売されていませんが、同じ成分の「ヘパリン類似物質」が配合された市販薬は薬局でも購入できます
3、角質細胞間脂質の役割をサポートする
セラミド(角質細胞の間をうめて、水分を逃がさないようにする)のはたらきを補うものです
容量が多いタイプもあるので、下肢など広い範囲の保湿によいと思います
まだまだたくさんの種類がありますが、自身が使っているものを継続してもいいです
乾燥の程度や場所によって保湿剤を使い分けたり、組み合わせたりするのも良いと思います
下肢全体にセラミド配合の保湿剤を塗り、踵やくるぶしだけワセリンを重ねるなどの工夫をされている方もいらっしゃいました
私もマネして、同じようにしています
保湿剤の塗り方
1、塗る場所
もちろん全身に塗るのがいいとは思いますが、分水嶺を意識して、リンパ節郭清をされた場合はそのリンパ節が担当している範囲を保湿してもいいです
分水嶺がわかりにくい方は過去の記事をどうぞ
上肢は比較的塗る範囲がせまいのでチューブタイプでもいいですが、下肢は範囲が広いので、ポンプ式の方が塗りやすいと思います
2、塗る方法
保湿をしながら皮膚の状態チェックやリンパドレナージを同時に行うのがおススメです
ゆっくりと塗り広げるだけでも皮膚の感じはわかってきますし、元気なリンパ節に向かって流れを作りながら保湿剤を塗ることもできます
ついでにできることはついでにやった方が面倒くさくないですしね
3、塗るタイミング
お風呂上りは必ず塗ってください
身体を洗うことで汚れとともに皮脂も落ちてしまいます
そのため、風呂上りは乾燥しやすくなります
身体を拭いたらすぐに保湿!
夏場は1日1回を基本にし、入浴後の保湿を伝えていますが、冬場は乾燥しやすいため風呂上り+朝の着替えのタイミングの計2回保湿するように勧めています
手は洗い物などで特に乾燥しやすいので、こまめに保湿する必要があります
私は家の台所にこれを置いています
洗い物のたびに保湿しています
リンパ浮腫を発症されている方は、弾性着衣や弾性包帯の使用前後、リンパドレナージのあとに保湿をしています
私の考える保湿のコツ
保湿をあまりしたことがない方にとっての壁は「毎日継続すること」です
ダイエットや筋トレとかでもそうですが、続けるのは難しい・・・
私は怠けてしまうタイプなので、何とか続ける方法を考えました
その方法を書いていきます
〇習慣化するポイント①いろいろなところに置く
家の動線の中には、立ち止まるところがあります
そこで目に入る位置に保湿剤を置いておきます
というか全部屋においていますね(笑)
洗面台や台所はもちろんですが、寝る前の保湿のために枕元に置いています
出かける前の保湿のために玄関にも置いていますが、玄関はまだ忘れることがあるので工夫しないといけません
〇習慣化するポイント②常に持ち歩く
チューブタイプの小さいやつはカバンに入るので、各カバンにもちろん入っています(笑)
車にも置いてあるので、信号待ちなどで保湿しています
結局のところ、常に目に入る場所に置いておくということです
習慣化できると、皮膚の変化がわかってきて楽しくなってきます
次は組み合わせについて書いていきます
〇時間帯で種類を分ける
夜間は特に動くことがないので、しっかりと保湿するために最後にワセリンを塗ります
べたつきますが、朝は特に気になりません
日中はべたつくと何かと困るので、ジェルやローションタイプの物をこまめに塗っています
〇保湿する場所で使い分ける
身体を触っていると、だいたいどのあたりが乾燥しやすいかもわかってきます
そのような場所には天然保湿因子をサポートするタイプやワセリンを組み合わせます
その他の場所は広く塗れるように、ポンプ式の保湿剤を使用しています
スキンケアは継続こそが力となってくるので、様々な方法を試しながら付き合っていければと思います
習慣化のポイントが他にもあれば、教えて頂けるとうれしいです
コメント
私はジョンソンエンドジョンソンのドリマースキンアロマローションとベ・マン・エクセレントローションを混ぜて使っています。
べたつくのが苦手なので。。
アロマローションも大容量のものが売られていて、ベ・マンのローションも500MLあるのでお得に使える気がしたのでコメントさせて頂きました。
私は生協から購入していますが楽天、Amazonからも購入可能みたいです。
そして乾燥が気になる季節となって来ましたので、朝、夕の2回に分けてスキンケアする様になりました。
朝はべたつくのが嫌で朝一にスキンケア少し用事をしてから身支度する様になりました。
コメントありがとうございます。
ジョンソンボディケア関係は容量もあるので使いやすいですよね。
やはり冬場は朝、夕の2回がいいと思います。
スキンケアしてから少し時間をおくんですね。参考にさせていただきます!
朝のみパジャマならべたついても問題とないと思いスキンケアしてから少し時間を置いて、それから身支度をします。
冬場は女性の場合、タイツを履いたりしますので、その為です。
時間を置くのは朝のみです。
パジャマであればべたついても気にならず時間を置く事で冬場は女性はタイツを履くので時間を置いてから身支度をします。