ここでは、「リンパ分水嶺」について説明しています
分水嶺とは
雨水が異なる方向に流れる境界のことであり、水系と水系の境界を指す。(水系とは集水域に流れる川の系統をいう)
日本山岳会HPより引用
こちら側の水はこちらへ、あっち側の水はあっちへ流れる。その境目にある程度のラインがあるということです
同じように、リンパの流れにも向きがあります
からだのリンパ分水嶺
SURVIVORSHIP.JP-がんと向き合ってーより引用
図のように、身体には大きく分けて鎖骨上リンパ節、腋窩(わきの下)リンパ節、鼠径(またの部分)リンパ節という、リンパ節が多く集まっている部分があります
右手のリンパは右の腋窩リンパ節へ、左手のリンパは左の腋窩リンパ節へ流れていきます。その境目となるのが「リンパ分水嶺」になります
真ん中のラインと、おへそ辺りにあるラインが、日ごろ意識しているラインになります
背中にも同じような位置にラインがあります
以前話したリンパの流れが滞ったり、外部からの異物に対する抵抗力が落ちたりするのを注意する範囲が、リンパ分水嶺からわかります
リンパ分水嶺を意識する
例えば、乳がんで右の腋窩リンパ節を取った方がいた場合、リンパの流れが滞るのは右腕ですが、リンパ分水嶺から考えると右胸や右わき腹、右肩甲骨のあたりの流れも滞る可能性があります
腕のむくみはわかりやすいですが、脇腹や肩甲骨あたりのむくみはなかなか気づきにくいと思います
また、外部からの異物に対する抵抗性が落ちるので、皮膚のケアを入念にする必要があります。保湿であったり、日焼けや虫刺されに気を付けるなどです
これらに気を付けるのも、右の腋窩リンパ節を取った方なら右手や右胸、脇腹や肩甲骨あたりをケアするということです
両脚まで気にしすぎる必要はありません
婦人科がんの手術の場合、子宮や卵巣は真ん中あたりの深い場所にあるので、右や左の鼠径リンパ節だけをとるというよりは、より深い位置にあるリンパ節をとるため、左右差はありますが両側に浮腫が生じます
この場合は手に対して気にしすぎる必要はありません
身体のどこを注意して観察するか
もし手術をされてリンパ節をとった方がいた場合、どの部分のリンパ節を取ったのかを確認してください。そして、リンパ分水嶺から考えてどこがその範囲に入っているかを知っておくと、今後話すスキンケアや浮腫の確認がしやすくなると思います
ぼちぼち勉強して、症状に対処して、うまく付き合っていきましょう☆
コメント