前回、浮腫の原因が多いため、何が原因なのか特定するのが難しいという話をしました。
そこで今度は「リンパ浮腫」について話をしていきます。
リンパ浮腫の実態は、何らかの理由でリンパ管内に回収されなかった、アルブミンなどを高濃度に含んだ体液が間質に貯留したものである。
リンパ浮腫診療ガイドライン
動脈から流れてきた血液は、静脈で9割が返っていきますが、残りの1割をリンパ管が別のルートを通って再度血管に戻しています。そのリンパ管の流れが何らかの原因で悪くなった状態をリンパ浮腫といいます。
ここでポイントなのが、アルブミンなどを高濃度に含んだ体液が溜まっていることです。間質とは、細胞と細胞の間のすき間のことを言っています。
アルブミン?よくわからない言葉ですが、たんぱく質のことです。
これが溜まると、なかなか大変なことになります・・・
たんぱく質は、移動しないのです。水分は流れていきますが、たんぱく質はその場にとどまり、皮膚が分厚くなったり硬くなったりします。
日本医科大学形成外科学教室より引用
インターネットなどでよくみかけるリンパ浮腫はたんぱく質も多く溜まっているため、なかなか改善しにくいです。
ただ、水分も溜まっているため、適切な治療をすればリンパ浮腫を軽くすることは可能です。
すぐにこの画像のようになってしまうかというと、そうではありません。蜂窩織炎(今後話します)などを何度も繰り返したり、リンパ浮腫を何年も放置していたら徐々に腫れだけでなく硬さも出てきて、このような状態になっていきます。
それを防ぐために、早期に気づいて早期に対処することが重要となります。
医療者が常にチェックしているわけではないので、自分でリンパ浮腫を知り、自分でチェックできる体制を整えていく必要があります。
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