今回は弾性着衣を選ぶ際のポイント
- 圧迫圧
- 伸び硬度
- タイプ
- サイズ
について書いていきます
圧迫圧
言葉の通り圧迫する圧のことです
圧が高いほどきついし、低いほどゆるくなります
弾性着衣は上肢(腕)なら手首、下肢(脚)なら足首を最大の圧として、身体の中心に向かって徐々に圧が低くなるように作られています
サイズを決める際は、手首と足首の周径から探すと良いです
圧迫圧には「クラス分類」があり、クラスⅠとかクラスⅡとか呼んでいます
圧の単位はmmHgですが、国によって表記がやや違うので、一覧で載せておきます
アメリカ | ドイツ | |
クラスⅠ | 20~30 | 15~21 |
クラスⅡ | 30~40 | 23~32 |
クラスⅢ | 40~50 | 34~46 |
クラスⅣ | 50以上 | 49以上 |
メーカーが様々で、日本製以外にもドイツやアメリカのものがあります
そのため、表記がややこしいです
私も「これってクラスⅠやっけ?Ⅱやっけ?」とよく迷います
クラス分類別の目的
クラスⅠ:軽度静脈瘤
クラスⅡ:軽度リンパ浮腫
クラスⅢ:中等度リンパ浮腫
クラスⅣ:高度リンパ浮腫
といった感じで分類されますが、装着される方の年齢や握力などに応じて調整しています
手術のあとに履くストッキングはクラスⅠです
履いたことがある方は、リンパ浮腫はあれ以上にきついと想像してみてください
ただ、ビビり過ぎないでください(笑)
うまく装着できるように一緒に考えていきましょう
当院ではクラスⅡを買ってもらうことが多いです
クラスⅢやⅣに関してはオーダーメイドになることが多いので、まだ経験の浅い私は頼んだことがありません
伸び硬度
弾性着衣は編み方を調整することで、伸び縮みしやすくしたり、しにくくしたりしています
編み方には
- 丸編み
- 平編み
があります
丸編みは生地が伸び縮みしやすく柔らかいです
平編みは伸び縮みしにくい構造になっています
イメージしてみてください
浮腫が増悪してだんだんボリュームが増えようとしています
どちらが増悪をしっかりと止めてくれますか?
正解は平編みです
丸編みは伸び縮みしやすいので、圧に押し負けてしまいます
平編みは伸び縮みしにくいので、「壁」となって立ちはだかってくれます
リンパ浮腫の進行をしっかりと止めたいのであれば平編みが良いのですが、硬さゆえにかなり装着がしにくいです
丸編みの方が装着はしやすいので、始めに購入していただく弾性着衣は丸編みがほとんどです
平編みは伸び縮みしにくいので、運動によって筋肉が収縮して大きくなった時により圧が上がります
反対に、じっとしているとあまり圧は上がりません
丸編みは筋肉が収縮することで多少圧は上がりますが押し負けてしまいます
反対にじっとしている時に圧がかかっています
この点を考えると、寝るときは平編みの方が圧迫感が少ないのでおススメです
日中は丸編み、夜間は平編みと使い分けていることが多いです
しかし、夜間も丸編みで寝られている方もいるので、いろいろ試してみてやりやすい方法を選んでいけばいいと思います
タイプ
これは前回の記事を参照ください
タイプを考えるときは、スリーブであれば手首までかミトン付きか、ストッキングであれば太ももまでか腰までかなどを検討していきます
サイズ
上肢(腕)なら手首、下肢(脚)なら足首を参考にサイズを決めていきます
さらに、上肢なら前腕の最大の太さや肘関節周り、上腕やわきの下など、複数の場所で周径を図ってサイズを調整しています
また、圧をやや高くしてサイズを大きくすることで、装着もしやすく「壁」として立ちはだかりやすくするなどの調整もしています
実際購入される場合は、複数の圧やサイズを用意して、装着した感じで決めていることが多いです
毎日装着していただきたいので、じっくり試しながら決めています
なかなか考えることが多いので、サイズ選びはいつも頭がパンクしそうになってますね(笑)
コメント
こんにちは、頑張ると言う言葉、取り入れて修正して頂き感謝しています。
弾性ストッキングのサイズに関してもアドバイス頂いた通り足首とふくらはぎのサイズを確認して買いに行き、その後、アドバイス通り夜数時間つけているだけです。
私の場合、それ以上つけると跡形が残ってしまい先生から、ご指導頂き市販のもので、あれ以降も足の浮腫みが気になる度に診察して頂いている事に感謝しています。
お陰様で酷くなる事なく歩いて階段の上り下り、あれは良い運動になりますね。
また気になる事がありましたらよろしくお願いします。
コメントありがとうございます
日頃の皮膚チェックや運動との組み合わせもできているからだと思います
こちらこそよろしくお願いします