考え方 良い出会い

時間の感覚 ~クロノスとカイロス~

考え方

もうすでに題名からややこしいですが、少しだけお付き合いください(笑)

時間には2つの見方があります

それぞれを意識することで、ちょっとした幸せが見つけやすくなるかもしれません

私自身も患者さんと接するときにとても大事にしている考え方です

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クロノス

「クロノス」とは、ギリシャ神話に出てくる時間の神のことです

これは絶対的な時間を表し、時計が針を刻むように全員に等しく流れる時間のことをいいます

カイロス

クロノスが絶対的な時間を表すのに対して「カイロス」は相対的な時間を表しています

チャンス(機会)の神とも言われています

Amanojacky’s NOTEより引用

「チャンスは前髪をつかめ」という言葉がありますね

これはカイロスのことを言っています

カイロスには前髪しかありません

 

全員に等しく流れる時間がクロノスですが、カイロスは人がそれぞれ感じる時間のことを表しています

カイロスの例

こんな感覚はみなさん一度は経験したことがありませんか?

  • あっという間に時間が過ぎてしまった
  • カップラーメンを待つ3分は長い
  • 好きな人と一緒にいる時間はすぐに過ぎる
  • 夜が長く感じる

このように、同じ時間でも短く感じたり長く感じたりします

これがカイロスです

日常にカイロスを生み出していく

リハビリテーションをするときに意識するのは、もちろん身体の動きを良くすることで今後の人生をよりよく過ごしていただくことなのですが、それだけではありません

私と患者さんが触れ合う「その瞬間」も大事にしています

イメージはこのような感じです

時間の厚み「カイロス」を生み出し、そこに心を置きます

些細な話とか、ちょっとしたリラクゼーションを混ぜながら私と患者さんとで同じ時間を共有する

その時間をしっかりと味わうことを「幸せ」と呼ぶんじゃないかと思っています

私なりの幸せの定義については、以前の記事に書いています

患者さんとの出会い

ある患者さんがとても悪い状態で入院されました

その方は息がとてもしにくく、常に息切れを起こしていて夜も寝られない状態でした

もちろんリハビリどころではありませんでしたが、なんとかできることはないかと思い、背中の軽いリラクゼーションを行ってみました

治療が進んできたのも重なり、リラクゼーションを行っている間は呼吸が落ち着いて会話がしやすくなってきました

その後状態はさらに改善し、歩く練習も始めました

リハビリ室での歩行練習後

患者さん
患者さん

ちょっとお菓子食べてもいい?

そう言われたので、リハビリの後10分ほどお菓子を食べる時間を作りました

病室ではスナックを食べると結構音がするので、なかなか味わって食べることができません

心置きなく味わってもらえるように、あまり人が通らないところで過ごしてもらいました

まだ状態は不安定だったので遠目から見守っていたのですが、とてもほんわかした感じがしました

「これってカイロスやなぁ」としみじみ感じる瞬間でした

それをきっかけにリハビリは順調に進み、一時期は命が危ないとまで言われていた方が今ではちょっとしたスポーツもできるまで回復しました

 

元気になってから、入院当初の話を聞いてみると

患者さん
患者さん

背中さすってもらっているとき、すごく優しさ感じたよ

あの時間は本当に救われた

と言ってくださいました

その時間もカイロスがちゃんと生み出せていたと、後になって気がつきました

 

入院生活はしんどいことだらけです

アメとムチのムチだらけです

せめて私と一緒にいる間はちょっとだけアメを渡したいし、しっかりと味わってもらえたらいいなと思っています

短い時間でもカイロスは生み出せるし、そこに心を置くことで幸せも感じられると思います

 

皆さんも「今」という時間を濃くかみしめて、有意義に過ごしてみてください

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