書籍紹介第2弾です
今回は夢野かつきさんの「乳癌日記」を紹介します
乳がんや治療、リハビリの勉強はするのですが、実際患者さんが困っていることはもっとたくさんあると思います
エッセイは医療者側からでは気づかない点から書いてあるので、新たな気づきを得ることが多いです
とても読みやすいのでたまに読んでいます
著者の夢野かつきさんは、40歳で乳がんを発症されました
発症してからの流れを漫画にしています
千葉大学医学部附属病院ブレストケアセンターの榊原淳太先生が監修されており、医学的な知識もしっかりと勉強できる本です
検査や治療に関して
夢野さんは乳がんの治療として、まずは化学療法でがんを小さくしてから手術でがんをとり、その後放射線療法を行っています
化学療法では、副作用(だるさ、痛み、脱毛など)について書かれています
副作用が心配な方が多いと思いますが、この本では何日目に副作用が落ち着いたなども書いてあります
個人差はあると思いますが、いつまでも副作用が続くわけではなく、波があるということがわかります
手術や放射線療法についても、どのように副作用が出現するのか、時間の流れがわかりやすく書かれています
間にある乳がんのはなし
榊原先生が書かれている乳がんの話はとても詳しく書かれていて、私も勉強になりました
最先端の話もあり、非常に興味深いです
リンパ浮腫のはなし
夢野さんは治療後にリンパ浮腫を発症されます
そこでリンパ浮腫外来の看護師さんとスキンケアやリンパドレナージ、弾性着衣について話す内容が書かれています
私のブログでも書いてある内容が多いので、復習できると思います
今後記事にする予定ですが、弾性着衣の入手方法は病院によってさまざまだということが分かりました
夢野さんはリンパ浮腫を発症されてからも仕事をされており、どのように工夫したのかが詳しく書かれています
お金のはなし
やはり治療においてお金は心配事のひとつです
この本では限度額適応認定証の申請や生命保険、傷病手当金などさまざまな金銭サポートの存在が書いてあるため、それらを知る機会にもなります
私はこの辺りはほぼ知らなかったので、もう少し深く勉強してみようと思いました
下着やウィッグのはなし
ここも私の知らない分野です
リマンマ(乳房の手術をされた方の下着)やパッドの工夫について書かれています
ウィッグは値段の相場が書かれていたり、タオル帽子や毛付き帽子などのウィッグ以外の方法が載っていたりして、いろんな方法があることが分かりました
peer ringについて
peer ringという女性特有のがんの方が集まるSNSサイトが本の最後で紹介されています
日々の投稿をしたり、質問をしたりして、さまざまな方が繋がれるサイトです
コロナの影響でがんサロンなど人が集まることがしにくい今日では、このようなSNSは大切な役割を果たしていると思います
我々医療者も、がんを発症された方がどのようなことを思うのかなどを知る手段として、このサイトを利用できるのではないかと思います
皆さんも一度読んでみてはいかがでしょうか
感想を聞かせていただけると嬉しいです
コメント
癌を告知された場合やはり、お金の心配はしました。
私は限度額適応認定の申請に関しては父の時に経験、知っていましたが先に建て替えをしてから後から受け取るという形でしたが制度が変更されたソーシャルワーカーさんから伺って申請をしました。
今の方が制度としては簡単かと思います。
ウィッグに関してもケモ室にて外科の係長から話を伺って買いました。
皆さん治療前に買われるケースが多いみたいですが。。
今はネットでも手頃な価格で可愛いものが買えるとブログに書かれておられる方をおられます。
帽子付きの可愛いウィッグも実際につけている方を見た事がありますが違和感もなかったですよ。
脱毛する前から担当看護婦さんのМさんから何色に染める?とか言われてました。
とてもブラス思考な楽しい看護婦さんでしたからね。
今はヘアードネーション目指して髪を伸ばしています。
コメントありがとうございます。
メディカルソーシャルワーカーの役割はとても大きいと日々感じています。
今後記事にする予定ですが、しんどさの中には「社会的苦痛」というものもあります。お金の話もその部類に入っていますしね。
ウィッグの知識は私はまだ少ないので、まだまだ勉強が必要です。
実際に探された方の意見はとてもありがたいです。
またいろいろ教えてくださいね。