リンパ浮腫について リンパ浮腫の予防

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とリンパ浮腫

リンパ浮腫について

蜂窩織炎とリンパ浮腫には密接な関係があり、蜂窩織炎をきっかけにリンパ浮腫を発症したり、リンパ浮腫をきっかけに蜂窩織炎を発症したりします

日々の予防や早急な対応が大切です

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蜂窩織炎はリンパ浮腫の代表的な合併症

手術でリンパ郭清をされた方は、リンパ節の機能が十分にはたらかないため、傷口などから細菌が侵入してきて広範囲に炎症を起こします

これを蜂窩織炎(ほうかしきえん)と言います

何やらややこしい名前ですよね

リンパ浮腫発症患者の20.6%に蜂窩織炎の既往があり、その炎症再発率は53.5%という報告があります

北村薫、赤澤宏平:乳癌術後のリンパ浮腫に対する多施設実態調査と今後の課題、脈管学

蜂窩織炎をきっかけにリンパ浮腫を発症することがあります

また、一度蜂窩織炎になると、再発することが多いです

炎症が治まっても、皮膚が硬くなりリンパの流れが滞りやすくなるため、リンパ浮腫が進行する可能性もあります

なので、予防と再発予防がとても重要となります

蜂窩織炎の症状

程度によって様々ですが、以下のような症状が出ます

・赤いポツポツができ、熱っぽくなる

・痛みやかゆみが出る

・38℃以上の高熱が出る

症状がひどいときには、痛みや熱で歩けなくなり入院される方もいらっしゃいます

SURVIVORSHIP.JPより引用

蜂窩織炎の原因

リンパ節郭清をした場合、その範囲(リンパ分水嶺から判断する)の免疫機能は低下してしまいます

そこで虫刺されや、皮膚を搔いたりしてできた傷に細菌が侵入して発症します

また、風邪や疲労などのストレスでも発症することがあります

リンパ分水嶺に関しては過去の記事を参照ください

蜂窩織炎の対処方法

「蜂窩織炎かな!?」と思ったら、まずは主治医の診察を受けてください

免疫機能が低下しているため、抗生物質などを使用する必要があるかもしれません

自身で取り組めることは、

①安静にして、挙上する

②熱っぽいときは冷やす

この二つは初期対応としては非常に重要です

それまでに圧迫療法やリンパドレナージをされていた方は中止してください

というよりは痛くてできないと思います

もし再開される場合は、主治医と相談してからの方がよいと思います

我々も炎症がある状態での介入はしにくいです

まずは冷やして受診、が大切です

蜂窩織炎の予防

大事なのは普段の生活を整えることだと思います

食事、睡眠、運動などはやはり土台となります

化学療法をされている方は、副作用などもありなかなか調子が安定しないかもしれませんが、日々心掛けていくことが大切です

皮膚に傷ができることで細菌が侵入してきてしまうので、傷を作らないということも重要です

虫刺されもそうですが、その後に搔くことで傷ができてしまいます

日焼けのし過ぎも皮膚に負担がかかるので、衣服や日焼け止めで対処する必要があります

洗い物、掃除、庭の土を触るなど、手作業で傷ができることがあるので、乳がんでリンパ節郭清をされた方などは手袋をするなど手の保護を心がけましょう

特に庭の手入れなどは手袋をしたほうがいいと思います

スキンケアは非常に重要で、いつも入念に指導しています

皮膚が乾燥するとかゆみが出てしまいます

夜寝ている間に無意識に掻いている方をよく見かけます

身体の洗い方、保湿の方法やタイミングを考えていく必要があります

スキンケアについてはまたしっかりと記事を書こうと思います

過度に怖がることはないのですが、もし発症してしまったときにすぐ対処できるよう、頭の片隅においてもらえるといいかと思います

コメント

  1. ひすい より:

    日焼けについて書かれてありますが今年、黒いズボンを履いて日焼けをして、これは日除けが必要だなと感じました。
    スキンケアに関しては入念にご指導頂いた通り入浴後に実践しております。
    その記事に関しても楽しみにしております。

    • kirimasa より:

      コメントありがとうございます。
      冬場はより乾燥するので、朝の着替え前に保湿するのもいいかと思います。
      またスキンケアの記事は書きますね。

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